今回の記事は東京都防災士会さん主催のセミナーに参加させていただいたときのものです。
地図を使い被災時を想定したワークショップになります。
サステナブルーの活動はパートナー企業によって支えられています。

この記事を読むことでわかること

- 商業地・外出先での被災リスクのリアル:銀座を舞台にしたDIG(災害図上訓練)体験を通じ、不慣れな場所で被災した際に直面する「情報不足」や「帰宅困難」の課題が分かります。
- 「指定避難所」と「一時滞在施設」の違い:住民向けの避難所と、来訪者・買い物客が身を寄せる一時滞在施設の役割の違いや、都心部における一斉帰宅抑制のルールが理解できます。
- 外出時の具体的な防災アクション:持ち歩くべき「0次の備え」や、事前に確認しておくべき地形リスク・多言語ツールの活用方法が身につきます。
- 社会課題を捉える「切り口」を増やす重要性:単一の知識(自宅視点)にとどまらず、多様な立場や環境を想定して自ら「視点(切り口)」をアップデートし続ける学びの姿勢の大切さが実感できます。
東京都防災士会開催のDIGを体験してきました
休日、華やかな買い物客や外国人観光客で賑わう大都市の商業地。もし、その瞬間にマグニチュード7級の巨大地震が発生したら、私たちはどこへ逃げ、どのように行動すればよいのでしょうか。
普段私たちが想像する「防災」の多くは、自宅や職場、あるいは住みなれた地元の避難所を前提としています。しかし、外出先や土地勘のない不慣れな場所で被災した場合、その「当たり前の前提」は一瞬で崩れ去ります。
こうした「外出先・不慣れな場所での被災リスク」に向き合い、現場の構造的な課題を浮き彫りにする体験型セミナーが開催されました。特定非営利活動法人東京都防災士会が主催する「災害図上訓練(DIG:ディグ)」です。
筆者が実際に参加して体験したこのワークショップでは、単なる知識の暗記ではない、防災や社会課題に対する「視点(切り口)」そのものを揺さぶられる深い気づきが得られました。まずは、今回の訓練の概要と現場で繰り広げられた議論の様子をレポートします。
東京都防災士会とは

東京都防災士会(日本防災士会 東京都支部)は、防災士の資格を持つ会員を中心に、地域社会の防災力向上や減災活動に取り組んでいるNPO法人です。首都直下地震や南海トラフ巨大地震などのリスクが叫ばれるなか、都民一人ひとりの「自助」の意識を高めると同時に、地域や企業、行政が連携する「共助」のネットワーク構築を精力的に推進しています。
同会では、奇数月の第2日曜日午後に定期的な対面式セミナーを開催しており、防災士だけでなく防災に関心を持つ一般の市民にも広く門戸を開いています。今回参加したセミナーのテーマは「大きな商店街での災害対策」でした。
発災直後の現場では、行政による「公助」が到着するまでに一定のタイムラグが生じます。そのため、発災初期に現場に居合わせた人々がどのように判断し、助け合えるかが生死を分けます。東京都防災士会は、こうした現実的な課題に対して、座学にとどまらない実践的な学びの場を提供し続けています。
DIG(災害図上訓練)とは——「正解」を求めるのではなく、視点を広げるワークショップ

今回体験した「DIG(Disaster Imagination Game)」は、直訳すると「災害想像ゲーム」であり、同時に「危険や課題を掘り起こす(Dig)」という意味が込められた参加型の防災訓練手法です。
具体的には、参加者がテーブルを囲み、大判の白地図の上に透明なフィルムシートを重ね、油性ペンやカラーシールを使って危険箇所、避難経路、避難所、医療機関などの「防災資源」を書き込んで可視化していきます。
講師を務めた大林防災士(同会元支部長)は、講義の冒頭でDIGの本質について次のように強調されました。
「災害時には絶対的な正解はありません。DIGの本当の目的は、単に綺麗な防災マップを作ることではなく、他者の意見に耳を傾けることで、自分一人では気づけなかった『新たな視点』を得て、直面した危機における判断の選択肢(オプション)を広げることにあります。」
一般的な防災訓練では「地震が起きたら机の下に入り、指定の避難所へ逃げる」という一方向の正しい行動が教えられがちです。しかし、実際の災害現場は条件や環境によってまったく異なる展開を見せます。DIGは、白地図の上で様々なシナリオをシミュレーションしながら、「災害を知り、街を知り、人を知る」プロセスそのものを重視する手法なのです。
今回のDIGの内容——銀座を舞台にした演習と、突きつけられた「外出先被災」のリアル

今回のワークショップは、東京都港区の麻布区民協働スペースにて開催されました。
グループワークの舞台として設定されたのは、日本を代表する巨大商業地・観光地である**「銀座」**です。
提示された緊迫のシナリオ
- 日時・環境:休日の午後、買い物客や観光客、外国人旅行者で大混雑する銀座の商店街。
- 発災状況:突如、大地震が発生。停電・断水・電話の通信障害が同時発生し、交通機関は完全ストップ。
- 発災後のアクシデント:街中がパニック状態に陥るなか、「一緒にいた家族の一人が転倒して足を骨折し、歩けなくなった」という事態が発生。
ワークショップで生じた「ハッとする気づき」

地図の上に「一時避難場所」や「医療拠点」のシールを貼りながら議論を進めるなかで、参加者全員が大きな壁にぶつかりました。
普段私たちが漠然と思い描いている「地震が来たら近くの学校などの避難所へ逃げればいい」という知識が、銀座のような商業地では通用しないという事実です。
自治体が設置する指定避難所(小中学校など)は、基本的にその地域に住む「区民(居住者)」の生活を守るための施設であり、数万〜数十万人規模で押し寄せる買い物客や観光客を収容する容量はありません。では、土地勘のない観光客や買い物客はどこへ逃げればよいのでしょうか。
正解は、行政と協定を結んでいるデパートや高層ビル、商業施設などの**「一時滞在施設(一時待機場所)」**です。しかし、普段買い物で訪れる人々の中で、どのビルが一時滞在施設に指定されているかを把握している人は皆無に等しいのが現実です。
さらに、講師への事前インタビューでも重要な問題意識が語られていました。
- 大型商店街特有の難しさ:個人店が中心の小さな商店街と異なり、大型商業地はチェーン店やフランチャイズ店が多く、日常的な地域コミュニティや顔の見える関係性が薄い。
- 来訪者の行動特性:普段見慣れない場所で被災すると、買い物客は「どうしていいか分からず、ただ呆然と立ち尽くしてしまう」傾向が強い。

グループワークでは、「目の前のデパートは本当にシャッターを開けて避難者を入れてくれるのか?」「言葉が通じない外国人観光客にどう避難を呼びかけるか?」「骨折した家族を置いて情報収集に行けるか?」といった、リアルで切実な議論が交わされました。
「自分は防災の準備をしているつもりだったけれど、それは『自宅にいる自分』の視点に過ぎなかったのではないか」——。白地図を囲んだ参加者たちの間に気づきが広がっていきました。
データと制度から読み解く「外出先被災」の構造と対策

前段で触れたDIG(災害図上訓練)での議論を掘り下げると、外出先での被災対策には単なる心構えだけでなく、行政の制度や都市構造、過去の災害データに基づく正確な客観的知識が不可欠であることが分かります。
ここでは、行政機関の公表データや防災ガイドラインを基に、外出先・商業地で被災した際に知っておくべき「都市型リスクの実態」と「具体的な行動・備え」を体系的に整理・解説します。
都市型被災の構造的リスク——515万人の記憶と首都直下地震の想定
外出先や不慣れな場所で被災した場合、リスクを増大させる主要因として**「情報不足」「土地勘のなさ」「避難先の不明」「人流集中」「通信障害」**の5つが挙げられます。これらが複合的に作用することで、適切な初期行動が著しく阻害されます。
過去の教訓:東日本大震災における515万人の帰宅困難者
2011年の東日本大震災では、首都圏の鉄道網が終日麻痺したことにより、推計約515万人の帰宅困難者が発生しました。 当時は多くの人々が一斉に徒歩で帰宅を開始したため、主要な幹線道路の歩道が人で埋め尽くされ、長距離を歩いたことによる激しい疲労や二次災害の危険に晒されました。
さらに、東京大学の広井悠教授(都市防災)らの研究によると、首都直下地震の発生時に数百万人規模が一斉に徒歩帰宅を試みた場合、ターミナル駅周辺などの歩道では1平方メートルあたり6人以上が密集する状態が発生すると試算されています。これは2022年に韓国・ソウルで発生したような「群衆雪崩」を引き起こす極めて危険な高密度状態であり、安易な徒歩帰宅が命に関わるリスクとなり得ることが示されています。
将来の被害想定データ
政府や自治体が公表している将来の巨大地震に関する被害想定は以下の通りです。
- 首都直下地震の想定被害(内閣府・東京都)
- 想定死者数:約1.8万人
- 建物全壊・焼失:約40万棟
- 想定帰宅困難者:約453万〜840万人(発生時刻が平日正午の場合に最大)
- 経済被害:約83兆円
- 南海トラフ巨大地震の想定(気象庁・中央防災会議)
- 発生確率:30年以内に70〜80%
- 想定震度:静岡県から宮崎県にかけての一部で最大震度7、周辺の広い範囲で震度6強〜6弱
- 津波の高さ:太平洋沿岸の広い地域で10メートルを超える大津波が想定される
「指定避難所」と「一時滞在施設」の決定的な違い
外出先で被災した際、最も多く生じる誤解の一つが「避難場所」に関する認識です。自治体が定める避難施設には明確な役割分担が存在します。
1. 指定避難所(小中学校・地域施設など)
基本的には**「その地域に居住する区市町村民(住民)」**が避難生活を送るための施設です。収容人数には限りがあるため、商業地にいる何万人もの買い物客や観光客を受け入れる空間的余力はありません。
2. 一時滞在施設(デパート・高層ビル・ホテル等)
徒歩帰宅者や屋外の来訪者が一時的に身を寄せ、安全を確保するための施設です。行政と民間事業者が協定を結び、発災後数時間〜3日間程度、滞留者を受け入れる役割を果たします。東京都では約110万人分の受け入れ能力の確保を目標に整備を進めています。
| 分類 | 主な対象者 | 主な機能 |
|---|---|---|
| 指定避難所 | 周辺の居住者(区民・市民など) | 避難生活・支援物資の給付拠点 |
| 一時滞在施設 | 買い物客・観光客・帰宅困難者 | 一時的な待機・安全確保(最大3日間) |
「むやみに移動を開始しない」原則と東京都条例
東京都では「東京都帰宅困難者対策条例」に基づき、発災直後は**「むやみに移動を開始せず、安全な場所に留まる」**ことを基本原則(一斉帰宅の抑制)として定めています。 企業に対しては従業員を社内に留め置くための「3日分の水・食料の備蓄」が努力義務化されています。街中で被災した場合も、二次災害や交通混乱を防ぐため、まずは近くの堅牢な建物や一時滞在施設で待機することが推奨されます。
リアルタイム情報提供ツール「キタコンDX」
東京都では、発災時に帰宅困難となった人々へリアルタイムで情報を提供するため、「東京都帰宅困難者対策オペレーションシステム(略称:キタコンDX)」を運用しています。 LINEの友だち登録を活用し、GPS情報に基づいて周辺の「一時滞在施設の開設状況」や「移動経路」などをスマートフォンで確認することが可能です。日本語に加え、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の多言語に対応しています。
盲点となる地下空間リスクと多言語対応の課題
都心の主要駅や商業地には広大な地下街・地下地下鉄網が整備されていますが、都市型水害や大地震における特定の盲点も存在します。
地下空間の浸水リスク
東京都内には約7万2,000カ所の地下空間が存在します。大雨や豪雨の際、地上から水が流れ込むと地下空間は短時間で浸水する危険性があります。 特に注意すべきは**「水圧」です。階段から水が流れ落ちている場合、避難ドアの外側にわずか30cm**の浸水があるだけで、水圧によって内側からドアを開けることが極めて困難になります。
東京都は2025年に「東京都地下空間浸水対策ガイドライン」を改定し、1時間100ミリ級の集中豪雨を想定した避難誘導の強化や、AI・ICT技術を活用したリアルタイムの浸水予測システムの導入を進めています。豪雨時に地下街や駅の地下ホームにいる場合は、上階や地上への早期避難を意識することが重要です。
訪日外国人・土地勘のない来訪者への対応
観光地や主要商業地では、日本語の情報や地形に不慣れな訪日外国人旅行者への情報伝達が課題となっています。 観光庁では、災害時の多言語情報提供ツールとして公式アプリ**「Safety tips」**を提供しています。
- 対応言語:15言語
- 主な機能:緊急地震速報、津波警報、気象特別警報のプッシュ通知、避難行動フローチャート、多言語コミュニケーションカード
- その他の支援:日本政府観光局(JNTO)による24時間対応のコールセンター「Japan Visitor Hotline」の開設
観光地や外出先を訪れる際は、こうした多言語対応アプリや防災マップツールを事前にスマートフォンへ導入しておくことが有効な安全策となります。
明日から実践できる「0次の備え」と防災アクション
防災対策は、特別な道具を揃えることだけではありません。日常の生活習慣に防災の要素を取り入れる「フェーズフリー」の視点が推奨されています。
最優先すべき家庭の2大対策(事前インタビューより)
東京都防災士会の専門家インタビューにおいて、個人の家庭対策として特に重要視されているのが以下の2点です。
- 家具の転倒防止(家具固定): 阪神・淡路大震災での負傷・閉じ込め原因の多くが家具の倒壊でした。就寝スペース周辺の家具固定は最優先事項です。
- 感震ブレーカーの設置: 地震による大規模停電からの復旧時、倒壊した建物内で電気ストーブや破損したコードに通電することで発生する「通電火災」を自動で防ぐ装置です。東京都も設置を強く推奨しています。
外出時の「0次の備え」(持ち歩き用防災グッズ)
外出先で被災し、自宅や避難所に辿り着くまでの数時間を自力で生き抜くための備えを**「0次の備え」**と呼びます。日常のバッグに入れて携行しやすい必須アイテムのリストは以下の通りです。
- モバイルバッテリー(容量10,000mAh以上推奨:情報収集・通信維持用)
- 小型LEDライト・ホイッスル(停電時の視界確保・瓦礫等からの救助要請用)
- 携帯ラジオ(小型または手回し充電機能付き:基地局障害時の情報源)
- 飲料水(500ml程度)・常備薬(持病薬や鎮痛剤など)
- 携帯トイレ(1〜2回分)(外出先でのインフラ停止対策)
- 現金(小銭を含む数千円)(停電で電子決済が使えない場合への備え)
- 緊急連絡先メモ(スマートフォンが停止・破損した場合の紙の控え)
外出直前の「5分チェック」習慣
見知らぬ土地や初めて訪れる場所へ外出する際、出発前または移動中に以下の3点を調べる習慣をつけることで、万が一の際の初期判断速度が飛躍的に向上します。
- 目的地のアドレスと地形リスクの確認:国土地理院「重ねるハザードマップ」などで浸水想定や土砂災害リスクを確認する。
- 周辺の避難場所・高台の把握:最寄りの一時滞在施設や高台の位置を2カ所以上確認しておく。
- 帰宅ルートの複数把握:徒歩での移動経路や代替交通手段を想定しておく。
3. その『備え』は、誰の視点か?——社会課題の「切り口」を獲得し続ける意味
第1幕で体験したDIG(災害図上訓練)での気づき、そして第2幕で確認した客観的なデータや都市構造のリサーチを経て、私たちは一つの根本的な問いに突き当たります。
「私たちが普段思い描いている『備え』は、一体誰の視点で作られたものなのか?」

この問いは、単に「防災用品を何個用意するか」といった技術的なレベルにとどまりません。私たちが複雑な社会課題と向き合う際、どのような「視点(切り口)」を持って現実を捉えているかという、学習と思考の姿勢そのものを問いかけています。
無意識の「単一の視点」から脱却する
多くの人がイメージする防災対策は、無意識のうちに**「自宅や職場など、住み慣れた地域にいる自分(居住者)」**という単一の前提に偏りがちです。「地震が来たら家具の安全を確認し、指定の避難所(学校)へ逃げる」という行動様式は、その最たる例です。
しかし、ひとたび外出先や不慣れな商業地で被災すれば、その前提は崩壊します。 そこには、地域に住む住民だけでなく、買い物客、ビジネスパーソン、外国人旅行者、高齢者、店舗の従業員など、多様な立場と事情を持った人々が混在しています。そして、自治体の指定避難所は「居住者用」であり、来訪者はデパートや高層ビルなどの「一時滞在施設」へ向かわなければならないという、現実的な構造が存在します。
「自分は防災の準備をしている」と思っていても、その視点が「自宅にいる自分」という一方向に限定されていれば、不慣れな場所で予期せぬ事態に直面した瞬間、思考と行動はフリーズしてしまいます。DIGという体験型ワークショップが提示してくれたのは、まさにこの**「自分の中の視点の偏り」へのハッとする気づき**でした。
一方向の知識ではなく、多角的な「切り口(フレームワーク)」を持つ
現代社会において、防災に関する情報はインターネットやメディアを通じて手軽に入手できます。しかし、「非常用ラジオを持つべき」「水と食料を3日分備蓄する」といった単一の知識をいくら暗記しても、それらをどの文脈でどう活用すべきかという「解像度の高い視点」がなければ、現場での応用は利きません。
知識を「点」として記憶するのではなく、「どのような構造や難しさが潜んでいるのか」という多角的な切り口(視点)として捉え直すこと——これこそが、真の意味での「備え」となります。
- 「移動する」のか「留まる」のかという判断の切り口
- **「居住者」と「来訪者・滞留者」**という役割分担の切り口
- **「公助の到着を待つ」のではなく「現場の資源で初期対応する」**という共助の切り口
こうした多様な切り口をあらかじめ自分の中に持っておくことで、初めて「初めて訪れた街でも、ハザードマップと一時滞在施設を事前確認しておく」「多言語アプリを入れておく」といった、文脈に応じた適切な具現的アクションが生まれるのです。
防災にとどまらない、すべての社会課題に通じる「能動的な学び」
「視点(切り口)を広げる学習の大切さ」は、防災分野だけに閉じた話ではありません。サステナビリティ、環境問題、地域格差、貧困問題など、あらゆる社会課題においても全く同じ構造が存在します。
例えば、貧困や環境に関する問題と向き合う際、私たちは時に「表面的な一方向の情報」や「分かりやすい単一の答え」だけで課題を理解した気になってしまうことがあります。しかし、現実の社会課題は常に複数のステークホルダーの利害や地域構造、歴史的背景が複雑に絡み合っています。
アルゴリズムによって自分と似た意見や分かりやすい情報ばかりが届きやすい現代において、ただ受け身で情報に接しているだけでは、特定の偏った切り口の中に閉じ込められてしまいます。
だからこそ、私たちは自ら進んで多様な現場に足を運び、異なる立場の人々と対話し、意図的に「新しい切り口」を獲得しに行く姿勢を持たなければなりません。
学び続けること自体が、持続可能な社会への備えとなる
「学び」とは、単に知識の量を増やす作業ではありません。自分が世界を捉えている「メガネ(視点)」の偏りに気づき、新たなフレームワークを取り入れて視野を広げ続けるプロセスそのものです。
DIGで白地図を囲み、他者と議論しながら危険や課題を「掘り起こした(Dig)」ように、私たち一人ひとりが日常の中で問いを立て、多様な切り口を柔軟に取り入れていくこと。
「その備えは、誰の視点か?」という自問自答を繰り返しながら、学びを止めない姿勢を持ち続けることこそが、予測不能な時代において自分と誰かの命を守り、よりしなやかで持続可能な社会を築くための最も確実な「備え」となるのではないでしょうか。
■ 出典(参考文献・データ元一覧)
記事内で参照した公的機関および報道等のデータ元です。記事末尾の「出典」セクション等にご記載いただけます。
- NPO法人東京都防災士会「7/12(日)防災セミナーDIG」
- 内閣府「平成27年版 防災白書(第1部第1章第2節 帰宅困難者等対策)」
- 内閣府「首都直下地震対策」
- 気象庁「南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ」
- 東京都都市整備局「地下街等の浸水対策(ガイドライン)」
- 東京都「東京都防災ホームページ(キタコンDX等)」
- 読売新聞「東日本大震災:首都圏の帰宅困難者515万人」
- 観光庁「訪日外国人旅行者用災害時に役立つツール(Safety tips)」
あとがき
今回は麻布区民協働スペースで開催されたものでした。
訪問する前に東京タワーが見えたのでたまたま写真を撮りましたが、観光地でもある東京タワーに訪れているときにも被災しないとも限らないですからね。
あんな高いところで地震に遭ってしまったらと考えるだけで足が竦みます。

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