2026年8月13日、私が住んでいる市川市(千葉県)で大雨災害が発生しました。被災された皆さんには心からお見舞いを申し上げます。私自身も当事者としてライターとして今回の大雨災害の教訓を今後に活かすため記事に残そうと思います。
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この記事を読むことでわかること

●2026年8月13日 市川市大雨災害の客観的事実: 1時間110ミリの猛烈な雨がもたらした被害の全容。
●「内水氾濫」のメカニズム: なぜ河川が溢れていない場所で深刻な冠水が起きたのか、都市構造の視点から理解できます。
●災害時の心理バイアス: 「警察の制止を振り切って水没路に入る」といった不合理な行動がなぜ起きるのか、行動経済学の視点で解明します。
●土地の記憶と防災: 不動産のプロの視点から、ハザードマップを「自分事」として読み解く方法を学べます。
大雨災害の現場
今回の大雨は仕事が終わり、家に帰る際に遭遇しました。

事務所を出てみると歩行者はくるぶしまで水が使っている状況です。これは千葉県の八千代市での画像です。

この道を通るときにはかき分けた水がボンネットの上まで乗ってきました。いつ車が止まるかとヒヤヒヤしました。また後部座席についてはシートの足元がビシャビシャになっていました。そのままではカビが生えてしまうので翌日は一日中乾かしています。それでも翌日も雨が降っています(執筆中の今も)。

これは道路から水が噴き出しているところです。排水機能がパンクしているのでしょうか。地面から出てくる水なので汚水管からであったら怖いなとも思います。

これは信号が停電している様子です。雨もあってお互い『どうぞどうぞ』とゆっくり進みあっていたものの、やはりいつも機能している設備が止まってしまっていると運転の怖さはあります。

ここは自宅近くの道路。この先の産業道路はもっとひどい様子で、テレビでも映されていました。右端に映る方は何か作業をされているようでした。

銀行さんに止めている自動車の何台かは道路で立ち往生したらしく、話を聞いたところ動かなくなった車を通りがかりの人何人かで押して駐車場に停めたとのことです。

ここからは翌日の町の様子です。こちらの自動車も真ん中で立ち往生です。張り紙もしてあり運転手さんが心配です。無事でありますように。


ところどころに様々なものが散乱しています。

先ほど触れた産業用道路です。高級車も立ち往生しています。またいつも使う原木インターの前は5台くらいの車が高速に入る直前のところで立ち往生していました。そういえば昨日の帰り道西船橋側からは警察が規制をしていました。産業用道路は水に弱いと聞いていたので、産業用道路を避け念のため京葉道を使わず下道で帰ったのですが、そんなのは地元に住んでいて、たまたま聞いていたから対応できただけです。

これも産業用道路。車の部品が吹き飛んでいます。

職場についていつものごみ拾い散歩。この時も大雨の爪痕があちこちにあります。
しかし君はいつも元気だねぇ。

お店の看板が拭き取んで割れていました。ぶつかった人がいなければいいのですが。

マンホール?のふたが空いています。民間の施設内はケアが届かないところもあるのでしょう。
スマホながら歩きをしていたら落ちて大けがなんてこともあるかもしれないです。

公園からも土が流出しています。こんな小さな土のエリアでも流れてしまうのであれば、農家さんのようにたくさん土を扱う方はもっと大変になっているのかなと心配になりました。

最後に停電の復旧作業をされている方。私の事務所の同僚もエレベーターが止まり12階まで歩いて上るとのことでした。翌日の18時でもまだエレベーターは止まっているとのこと。
記録的短時間大雨の実態と、激甚化する「都市型水害」の構造データ

2026年8月13日:市川市を襲った「レベル5」の脅威
2026年8月13日、千葉県北西部から南部にかけて発生した気象災害は、私たちの想像を遥かに超える規模で展開しました。同日18時頃には「線状降水帯」の発生が確認され、命に危険が及ぶ災害発生の危険度が急激に高まったことが報告されています。
特に市川市においては、17時20分までのわずか1時間で約110ミリという、文字通り「猛烈な雨」を記録しました。これは気象庁が発表する「記録的短時間大雨情報」に該当する極めて稀な降雨量です。この事態を受け、千葉県内では18市1町(後に20以上の自治体)に対して、警戒レベルで最高位となる「レベル5」の大雨特別警報が発令されました。
市川市内の具体的な被害状況を振り返ると、午後9時時点の消防のまとめで、床上浸水5件、床下浸水6件、道路冠水33件、そして2件のがけ崩れが発生しています。また、下貝塚地区でのがけ崩れや奉免町での土砂災害リスクなど、地形的な脆弱性が顕著に現れる結果となりました。何より痛ましいのは、冠水した道路で発見された男性1名が亡くなったという事実です。この悲劇は、都市部における浸水がいかに短時間で致命的な状況を招くかを物語っています。
「外水氾濫」と「内水氾濫」:都市を飲み込むメカニズムの違い
私たちが大雨災害を理解する上で、まず整理すべきは「氾濫の種類」です。今回の市川市の被害の多くは、河川が堤防を越えて溢れ出す「外水氾濫」ではなく、排水が追いつかなくなる「内水氾濫」であったと考えられます。
- 外水氾濫(がいすいはんらん):河川の水位が上昇し、堤防を越える(越水)、あるいは堤防が壊れる(破堤)ことによって水が溢れ出す現象です。広範囲に深刻な被害をもたらしますが、近年の江戸川などの大規模河川では、徹底した治水対策により昭和22年のカスリーン台風以降、大きな外水氾濫は発生していません。
- 内水氾濫(ないすいはんらん):下水道や排水路の処理能力を上回る雨が降った際、あるいは放流先の河川水位が高いために排水ができなくなり、建物や道路が冠水する現象です。都市部では地面の多くがアスファルトで覆われているため、雨水が地中に浸透せず、一気に低い場所へと流れ込みます。
今回、市川市内で目撃された「マンホールから水が噴き出す光景」は、まさにこの内水氾濫の典型的なサインです。都市化が進んだ地域では、たとえ大きな川が溢れていなくても、自分たちが立っている足元から水害が始まるというリスクを常に孕んでいます。
アンダーパスと「車中死」の統計学的なリスク
都市型水害において、最も警戒すべき「死に直結する場所」がアンダーパスと冠水路での車両移動です。
アンダーパスとは、鉄道や他の道路の下をくぐるために周囲より低くなっている構造を指します。大雨時にはここが巨大な「水槽」と化します。データによると、車両の走行限界は私たちが想像するよりもずっと低いです。
- 水深10〜30cm:ブレーキ性能が著しく低下し、安全な場所への移動が急務となります。
- 水深30cm以上:エンジンが停止する危険性が高まり、車は立ち往生します。
- 水深50cm以上:外からの水圧によりドアが開かなくなり、車内に閉じ込められます。
2019年の台風19号における犠牲者のデータは衝撃的です。死者84名のうち、約3割にあたる人々が「車中死」で亡くなっています。特に水害による死者72名に絞ると、その約7割が屋外で被災しており、避難中や帰宅中に車が水没したケースが30名に上りました。
「まだ大丈夫だろう」という正常性バイアス(心理的バイアスについては後の章で詳しく触れます)が、データから見ればいかに危険なギャンブルであるかが分かります。道路が冠水し始めたら、たとえ高級なセダンであっても一瞬で身動きが取れなくなる「浮き」へと変わってしまうのです。
1.5倍に増加した「50mm以上の大雨」と気候変動
なぜ、これほどまでに激甚な災害が頻発するようになったのでしょうか。気象庁や内閣府の長期統計データは、その背景に明確な気候変動の影響を示しています。
- 平均気温と海水温の上昇:日本の年平均気温は、過去100年で約1.30℃上昇しました。これは世界平均よりも大きい上昇幅です。また、日本近海の海面水温も100年で1.24℃上昇しており、これが台風の勢力を強め、より多くの水蒸気を供給する原因となっています。
- 短時間強雨の頻発化:アメダスのデータによると、1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、統計を開始した最初の10年間(1976〜1985年平均:約226回)と比較し、最近の10年間(2016〜2025年平均:約340回)では約1.5倍に増加しています。
- 線状降水帯の増加:3時間積算降水量が130mmを超えるような集中豪雨の発生頻度は、過去45年間で増加傾向にあります。特に7月の発生頻度は、45年間で約3.8倍という劇的な増え方を見せています。
これらのデータが示唆するのは、私たちがかつて「100年に一度」と呼んでいた災害が、今や「10年に一度」、あるいはそれ以上の頻度で起こる「新しい日常(ニューノーマル)」に突入したということです。
市川市の地形的特性とハザードマップの「警告」
市川市は、江戸川に面した低地が広がる一方で、台地部分との境界には急峻な崖地も点在するという、水害と土砂災害の両方のリスクを抱えた地形をしています。
市川市が令和8年(2026年)4月に改訂した最新の「水害ハザードマップ」を確認すると、真間川や高谷川、坂川といった中小河川の浸水想定区域が詳細に示されています。また、江戸川本流の氾濫だけでなく、内水氾濫の想定図も公開されていますが、今回被害が出た箇所の多くは、これらの想定区域と重なっています。
市川市の浸水履歴を振り返ると、平成8年(1996年)以降、多くの浸水被害が記録されています。近年では大規模な治水対策により被害の規模は抑制傾向にありましたが、2019年以降だけでも、警戒レベル3以上の発令が今回の災害を含めて計7回に及んでいます。
特筆すべきは、今回の災害が**「令和8年版ハザードマップ」が発行されたわずか数ヶ月後に発生した**という点です。自治体による「警告」は、あくまで可能性の提示ではなく、科学的な予測に基づいた「いつか必ず来る未来」の描写であったことを、私たちは今回、最も厳しい形で突きつけられました。
まとめ:データが指し示す「事前の備え」の合理性
ここまで見てきたデータは、災害が決して「運が悪かった」で済まされるものではないことを示しています。
- 110mmの雨は、都市の排水能力を物理的に凌駕します。
- 30cmの冠水は、車両の機械的構造を無効化します。
- 1.30℃の気温上昇は、気象現象を不可逆的に激甚化させました。
これらの客観的事実を前提としたとき、私たちが取るべき行動は一つしかありません。それは、気象庁が発表する「レベル4(避難指示)」が出た時点で、たとえ周囲に変化がなくても「データ上は既に危険である」と判断し、移動を開始することです。
第3報時点で報告された「119番通報の入電多数によるパンク状態」は、災害が発生してからでは助けを求めることすら困難になる現実を浮き彫りにしました。私たちは、この「2026年8月13日」という日付を、単なる過去の記録としてではなく、これから続く「激甚化の時代」における生存戦略の基準点(マイルストーン)として記憶に刻む必要があります。
今の「日常」は、どれほど「想定外」の上に成り立っていますか?

今回の市川市での出来事は、単なる「運の悪い大雨」ではありません。私たちが生きるこの社会の仕組みや、人間の心の癖を浮き彫りにしたという側面があります。
この記事を読んでくださった皆さんに、以下の3つの視点から問いを投げかけたいと思います。
あなたは「合理的な判断」を本当に選択できますか?
道路が冠水し、浸水により車が故障することがわかっていても、なぜ水の中へと進んでしまうのでしょうか。これは個人の愚かさではなく、**「正常性バイアス(自分だけは大丈夫)」や、過去の経験に引きずられる「現状維持バイアス」**という、人間が本来持っている認知の歪みです。
- 問い: あなたが「まだ大丈夫」と判断する根拠は、データに基づいたものですか? それとも「昨日まで大丈夫だったから」という脳の怠慢ですか? 「観測史上初」が日常化する時代、あなたの判断基準をアップデートする準備はできていますか?
私たちの「絆」は、非常時にしか発露しないものですか?
災害時、見知らぬ人同士が車を押し助け合う**「災害ユートピア」が出現する一方で、日常の延長線上では雨の中作業をされているマンション管理人さんをスルーしてしまう「傍観者効果」**も同時に目にしました。文化人類学者のビクター・ターナーは、日常の構造が壊れた時に現れる平等な連帯を「コムニタス」と呼びましたが、それは裏を返せば、私たちの日常がいかに「無関心」という構造で守られているかの証左でもあります。
- 問い: なぜ私たちは、危機に陥らないと「隣人」を見つけることができないのでしょうか。非常時にだけ現れる善意を、平時の「仕組み」や「コミュニティ」として定着させるために、今日から隣人にかけられる言葉は何ですか?
その「便利さ」が隠している、土地の記憶を想像できますか?
かつて田んぼや低湿地だった場所をアスファルトで覆い、水の行き場をなくした結果が、今回の**「内水氾濫」**です。都市化という「便利さ」の裏側で、私たちは土地が本来持っていた「水を受け止める力」を忘れ去ってきました。
- 問い: あなたが今立っているその土地は、かつてどんな場所でしたか? ハザードマップを「不動産の価値を下げる紙」ではなく、「土地からの警告文」として読み解いたとき、あなたの住まい選びやライフスタイルはどう変わりますか?
出典
本記事は以下の公的データおよび現地調査に基づき執筆しています。
- 気象庁「2026年8月13日大雨特別警報資料」
- 消防庁「令和8年8月13日からの大雨による被害状況(第3報)」
- 市川市公式Webサイト「水害ハザードマップ(令和8年4月改訂版)」「浸水履歴」
- 内閣府「防災白書(令和5年版)」
- 気象研究所「集中豪雨の発生頻度に関する調査資料」
あとがき
ライターのあおやんです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回の雨は本当に困りました、車大丈夫かなぁ。
今はちゃんと動いてくれていますけど、足回りとか錆びちゃうんじゃないか心配です。
この後もグズグズ雨が続くみたいですし、先週の台風なんか茨城側から本州を横断なんて、これまで記憶にないです。
自然災害に文句言っても当たるところもないですし、できることを備えて、みんなで助け合うしかないですね。
よかったら前回、防災公園に訪問した時の記事も読んでもらえると私とレオが泣いて喜びます。
防災を意識しましょう!市川市大洲防災公園お散歩&市川地域防災課インタビュー
※GenSpark、NoteBookLMにサポートしてもらい記事を製作しました。
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