こんにちは、あおやんです。
今回は病気や怪我で働けなくなった時のことを調べてみました。
記事を書くに至った経緯はお仕事ができなくなった際、経済的な心配から治療を急いでしまい充分な回復の前に復帰するということを防ぎたいと思ったからです。実はしっかりとした制度が準備されているのです。もちろん読んでくださっている皆さんが体調を崩すことなく心や体を健康に保つことを祈っています。
長期療養になってしまう原因は様々ですが、一番多いそして長期化する原因は精神疾患(鬱病など)だそうです。
また、長期療養になってしまった時にどのくらいの療養期間になるかを想定するかで取る対策が変わってきます。
まずは勤務先の休暇制度や傷病手当などの公的な制度を活用できるよう理解しておくこと。
公的制度の期間内に回復しなかったときに備えて貯蓄をしておくことも大切。
そして公的制度や貯蓄でカバーできなくなって初めて民間保険への検討になります。
やみくもに保険に入りまくっていたらお金はどんどん出て行ってしまいますからね。
記事を書いているのは2024年2月なので制度が古くなっているかもしれません、ご注意を。
有給休暇
体調を崩したら有給を取りましょう。有給を取れない、取りにくい会社からは離れて!
有給休暇の付保日数は法律で決まっています(厚生労働省HP)。勤続年数半年以上で年間10日間、6.5年以上で20日間。有給休暇は2年間持ち越しできるので最大で40日貯金できるわけですね。
ここで長期入院ではどのくらい入院をするのか→退院患者の平均入院日数32.3日(厚生労働省患者調査)です。
有給を20日使うとまるまる一か月休めるので6.5年以上勤務していれば有給だけでまかなえる計算ですね。この調査で特に長くなるのは統合失調症570日、鬱病137日、脳血管疾患77日。平均くらいの入院なら会社勤めしているだけで備えになっていますね、ただし上記のような長期入院する可能性も考えないといけません。
傷病手当金
●有給休暇で間に合わないときには傷病手当を受けることになります。
社会保険に加入している方の制度で個人事業主や勤務先の都合で国民健康保険に加入している方には対象外の制度になりますのでご注意を。業務外の事由による病気や怪我の療養で連続する3日間を含み4日以上仕事に行けない場合に支給されます。支給額は退職前12か月間で受け取っていた給与の65%程度で最大1年6か月受け取ることができます。
●令和4年現金給付受給者調査報告によると精神・行動障害18.11%でぶっちぎり、続いて感染症7.10%、新生物6.89%。ここでも心が原因になります。
平均支給期間は 83.96 日(約3ヶ月)となっている。支給期間別の件数の割合は 30 日以下が 64.07%と最も高く、31~60 日が 6.50%、61~90 日が 4.72%となっている。
平均支給期間を傷病別にみると、精神及び行動の障害(214.55 日)、神経系の疾患(201.30 日)、
循環器系の疾患(198.50 日)等が長くなっている。
●受け取る際の手順:
①社会保険(健康保険)に1年以上加入していることが条件。傷病手当と失業給付は同時に受け取れないので、傷病手当を受け取り治療しよくなってから、失業給付を受けながら就職活動を行う形。
②傷病手当は退職のひと月くらい前から動き出す必要あり。手順は退職届を一か月前に提出。在職中に連続3日以上休む必要あり(土日を繋げてもよいが飛び飛びはだめ、有給を使ってもよい)。この3日間の休みの初めの日に病院に行くこと。病院で現状を伝える際に【職場のストレスが原因】と診断されると労災になり傷病手当にならない(労災では認定は難しい!!)なので【原因は不詳】で記載してもらうのが大事。退職日は欠勤すること。退職日に出勤していると退職日まで出勤している人=働ける人。退職日に休んでいる人=就労できないまま退職したので退職後も給付金が必要な人という扱いでもらえない。
③退職して一週間以内に受診、ここで協会けんぽなどで受け取った申請書を記載してもらう→元勤務先に提出(郵送でもヨシ)返送してもらう。→これがそろったら在職中に加入していた健康保険組合に提出。
その後、退職後1か月~2か月後に雇用保険の受給期間を延長する申請を行う。※失業給付は失業後1年を経過するともらえなくなってしまうので、それを延ばすために【受給期間延長申請】を行う。
ハローワークにいって 受給期間延長申請を出したいと申請。退職日から32日以降でないと受け付けてもらえない。
④一か月に一回通院して【傷病手当金受給申請書】を健康健康保険組合に提出。毎月出さないと治療の意思なしと思われてしまう。
失業給付(雇用保険)の延長
傷病手当をもらってから、体調がよくなってから失業手当を受け取ります。受取金額は元々の給与の60%程度。通常3か月のところ、病気や怪我などの就職困難者の場合は延長される(45歳未満は10か月、45歳以上は12か月)。
●受け取る際の手順:
①失業給付は働けるようになった人が受け取れる。つまり働ける状況になった状態を知らせる必要あり。
②ハローワークに行って受給申請申請申請を解除する。傷病証明書と就労可能証明書を通っていた病院に書いてもらう。就職困難者である旨を必ず伝える。そうすると通常3か月の受給期間から45歳未満は10か月、45歳以上は12か月に延長される。
障害年金(こちらは体調が回復せず失業給付を受けられなかった場合)
1年6か月を超えて仕事できないで初診日に年金加入しており保険料収めていること、障害認定日に障害状態であること(初診日から1年6か月たった日または症状が固定した日)が条件。
等級により受給できる金額が違ってくる(67歳以下の場合)。
等級1:他人の援助受けないと日常生活できない。99万+子の加算。
等級2:必ずしも他人の援助をうける必要はないが日常生活を送ることが極めて困難で労働収入を得られない。79万円+子の加算。
等級3:日常生活をおくることはできるがフルタイム勤務に耐えられない、軽作業しかできない
1と2しかでない。支給額なし。
※子の加算:第二子まで年額22万円、第三子以降7万
※会社員は障害厚生年金が加算、この金額は収入に応じて。
備え
社会保険制度のある勤務先にお勤めの方は貯金での準備でも十分かと思いました。例えば生活費の数か月分でもあれば療養についてはガードができているのではないでしょうか。ただし有給休暇が終わって給料の65%、60%で生活できないと考える方はその差額分の準備も考慮に入れておく必要ありますね。私自身はこういった制度を使わないで有給使いきって休んでいるときには給料どころか社会保険料が毎月引かれていって残高が下がり続ける恐怖を味わいました。
また大きな病気で医療費が高額になったときに使う高額医療制度については受け取るまで期間があるのでその分も考えておかないといけないですよね。限度額認定証を発行してもらうと窓口での支払いを90,000円弱まで抑えられるのですが、一瞬に出ていくお金としては大きいですからね。また高額医療は支給されるタイムラグもありますからそれも注意です(高額医療3か月以上)。
しかし冒頭でも申し上げましたが社会保険ではない国民健康保険を使っている方はもっとたくさん備える必要ありますね。
そして、ここまで調べてきたところ長期化する原因は精神疾患が多かったです。すでに就業不能保険などで備えている方は鬱病に該当しているかも確認しておくのも良いかもしれません。
普段から無理をせず鬱に気を付けて!
●鬱病
気分が落ち込み行動意欲を失う気分障害のこと。
●鬱病の原因について
・鬱に最もなりやすいストレス→存在を否定されて自己肯定感を損なうこと。何をやっても否定され、こちらの主張が通らない環境はとてもキケン!
・虐待やネグレクト、いじめなどを受け続け自己肯定感が損なわれ続けると【自分】【世間】【未来】に対してネガティブな考え方の癖ができてしまいます(鬱病因性スキーマ)。
・自己肯定感を回復されるにはカウンセラーさんとの信頼関係や人から大切にされるなどで癒していくべき。日々の生活の中で楽しさを見つけていくこと。
・仕事の中では→忙しすぎ・業務量が多すぎ、勤務時間がバラバラ、営業のお仕事、転勤・部署異動、パワハラ、ミスをした際の厳しすぎる叱責、人間関係、クレーム
●鬱病になりやすい人
・生真面目な方(正義感、道徳観がある、相手を尊重し過ぎ人間関係の維持を大事にする)
・責任感の強い人(自責性がつよい、絶対自分がやらなければならない、できなければ自分が悪い)
・感情表現が苦手な人(感情を押し殺してしまう人、こうした方がいいのになーと思っていても我慢する人)
→いわゆる【良い人】ばかり。でもそれは自分自身にとっては【良い人】とは限らない。ご自身が該当してないか見つめなおしてみてください。
●鬱病のときにやらない方がいいこと
・治すために無理をする→普段できることができなくなるのが鬱病。自分を責めず無理をせず休養を取ること。
・考えすぎ→病気によって答えのないことを考えさせられている。考えが止まらないときは体を動かして気を反らす。
・輝いている人と比べる→自分がダメだと思い込んでいるときにSNSなどを見て比べてしまうと落ち込む。SNSなどから離れデジタルデトックスを。
・資格の勉強→鬱病は集中力が落ちる。できないことで余計に焦り自分を責めてしまう。
・旅行→普段できることができない病気なので余計に疲れてしまう。
・大きな買い物→支払いやローンの負担でプレッシャーになる。また『なんでこんな物を買ったのだろう』と後悔してしまう。
・引っ越し→引っ越し作業は大変、また新しい環境は慣れるのも大変。
・会社を辞める→再就職するには大変なパワーが必要。感情に任せて
・薬をやめてしまう→お薬を自己判断でやめてしまう。鬱病は半数近くが再発する。治ったと思ってから1年くらいは特に再発しやすい。
●鬱になりやすいお仕事
※ここに記載以外でもお仕事が大変な方は無理なさらないでくださいね。
・いろんなタイプのお客さんと頻繁にかつ複雑なやり取りをするお仕事(感情労働、頻繁に自分の感情を抑えるお仕事)
・法人向けサービスよりも個人向けサービスの方がなりやすい
・限定した空間、人間関係のみでのお仕事
・様々な人との間で板挟みになるお仕事
・一般事務従事者、保健師・助産師・看護師、営業職、自動車運転従事者、介護サービス職業従事者(過労死等の労災補償状況より)
一般社団法人生活困窮者自立支援ネットワーク
政府広報オンラインより。働きたくても仕事がない、家族の介護のために仕事ができない、再就職に失敗して雇用保険が切れた、あるいは、社会に出るのが怖くなった……。様々な困難の中で生活に困窮しているかた向けに包括的な支援を行う「生活困窮者自立支援制度」があります。就職、住まい、家計など暮らしに悩みを抱えたかたは、一人で悩まず、まずはお住まいの地域の相談窓口にお問い合わせください。家族や周りのかたからの相談も受け付けます。
次の相談窓口一覧から、ご自身の住まいのエリアに一番近いところに相談しましょう。
まとめ
●最後まで読んでくださりありがとうございます。今回はお仕事をできなった場合のガードのお話でした。まずは体と心を健康に保ってお過ごしいただきたいです。そして万が一お休みをしなければならなくなってしまっても様々な制度があるのでまずは治療に専念して『急いで元気にならなくては』とは思わないでくださいね。
DAIGOさんがお勧めしていた本のリンクも張っておきます。
完全復職率9割の医師が教える うつが治る食べ方、考え方、すごし方
●参考にさせてもらった方
両学長、DAIGOさん、生活に役立つメンタルヘルスさん、こねくとチャンネルさん
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