こんにちは、あおやんです。今回は奨学金の返済問題について取り上げていきたいと思います。
先日、奨学金の返済負担が重く経済的余裕がないため結婚や出産に気持ちが向かないという記事を読みました。確かにお金に余裕がないと前に進む気持ちになりませんよね。そんなわけでお金の問題をメインにして記事を書き進めていきます。
※今回の記事は2023年10月に作成しています、最新の制度を確認してください。
奨学金の実態と制度
●奨学金利用の実情
日本学生支援機構さんの調査によると学生全体の中で何らかの奨学金を利用している人は大学生全体の49.6%、また労働者福祉中央協議会さんの2022年9月のアンケートによると大学生の奨学金平均借り入れ額は約310万円、毎月の返済額は平均1万6,880円(この金額は後で使います)、返済期間は平均14.7年です。また、借入総額500万円以上という利用者も、12.4%と1割以上を占めています。
(参考にさせていただいた労働者福祉中央協議会さん調査)
●学生支援機構(利用を検討している方はこのリンクから自分でも確認してくださいね。)
奨学金を利用するにあたり、まず検討するのはこちらではないかなと思います。学生支援機構さんでは細かな分類はあるものの大きく分けて3種類。返済不要の給付型、返済義務はあるが無利子の貸与奨学金第一種、返済義務があり有利子の貸与奨学金第二種です。
以下の例はこれから大学へ入る方の場合として記載します。
(高校進学のため、大学在学中の方向けの奨学金もあるようです)
・給付型:平均学力基準3.5以上、収入基準①非課税世帯は約91万円、②世帯収入年収300万円までは約61万円、③世帯収入年収380万円までは約30万円。月額は私立自宅から通学は38,300円、私立自宅外通学75,800円、国立自宅から通学29,200円、国立自宅外通学66,700円。
※この他に学費の一部免除制度などもあります。
・貸与第一種:平均学力基準3.5以上、収入基準は世帯や収入で細かな規定があるのでこちらの支援機構のホームページにて確認してください。個人事業主の世帯で一種二種を併用する場合でも489万円以下なら可能性がありそうです。借り入れ月額はこちらも私立か国立か、自宅からか自宅外からの通学化で20,000円~64,000円で大きく幅があります(詳細)。保証についてはお金を払う機関保証か、家族などの人的保証の2パターン。
・貸与第二種:平均学力基準平均以上、家計水準は先ほどの一種と同じです(詳細)、借り入れ月額は20,000円~12,000万円。借入利率は借り入れが終了した月の金利が適用になります。令和5年は借り入れ方法やその月によって0.09%~1.137%の幅。保証については一種と同じ。
奨学金を借りることでどんな影響がでるの?
そもそもになりますが、学費の調達ができ高度な教育を受けることで専門知識の習得、それによる自身の夢の実現、就職に有利な新卒切符の入手、高校時代よりも自由な時間お金で得られる体験、生涯の友人など、教育素人の私でもスッと思いつきます。他にもまだまだ大学に行くメリット、つまり奨学金を借りて進学するメリットはあるでしょう。しかし借り入れを起こすということはそれに伴う義務(返済)が発生することも考えないといけません。お金に焦点を当てて記載していきます。
●収入(手取り)と支出を考えてみましょう
JOBQさんの記事によると初任給は平均23.6万円、手取り額は19.7万円ということでした。単身世帯の家賃を引いた生活費は概ね12万円ちょっと(参考にした総務省統計局さん)。
手取り19.7‐生活費12‐前述の平均返済額1.7=6(万円)。この6万円で家賃と貯金をする計算ですね。これ、食費35,000円で計算してるので社食+自炊じゃないと厳しいですね、一日の食費1,166円。実家暮らしってありがたい。逆にここに入っていない要因はボーナスと入社一年目は住民税が少ないことですね。
※生活費12万円には食費、水道光熱費、生活用品費、被服費、医療費、交通費、通信費、娯楽費、理美容費、交際費が入っています。
●ライフイベント(マイカー、結婚、育児、マイホーム)はこなせる?
さてこの状況でそれぞれのライフイベントをこなしていけるのでしょうか。
参考に平均額を記載していきます。
・初めてのマイカーの平均額は170万円。自動車は維持費もかかります。(ヤナセ・アウディさん調べ)
・結婚式(挙式・披露宴)の平均総額は292万3,000円、平均招待客数は42.8人。(ゼクシィさん調べ)
・教育費用:教育費用のみの計算で。幼稚園~大学卒業まですべて国公立大学に進学した場合約1,026万円。 私立に置き換えた場合は、文系大学では約2,523万円、理系大学では約2,654万円の費用が必要となります。(北陸銀行さん調べ)
・マイホーム:相場は注文住宅(建物のみ)が3,572万円、土地付注文住宅が4,455万円、分譲住宅が3,605万円。 契約時に支払う「頭金」は総額の2割程度(住宅金融支援機構調べ)。住宅費用はエリアによって全然違いますけどね。私の住んでいる千葉県でも少し南エリアに行けばもっと安く手に入るエリアもありますし、東京に近づけばもっと高い物件も見かけました。
●借金が返せなくなったときには最終手段の自己破産。借入の原因は?
生活苦61.69%、病気・医療費23.31%、失業 給料の減少9.6%、事業資金16.13%、負債の返済(保証以外)20.48%、保証債務9.44%、第三者の債務の肩代わり2.82%、名義貸し1.29%、生活用品の購入14.76%、 教育資金9.84%、冠婚葬祭1.61%、住宅購入7.26%、 ギャンブル7.18%、浪費・遊興費11.37%、投資1.53%、クレジットカード利用9.35%、その他15%(2020年弁護士連合資料)
→これを見てみるとギャンブル・遊興費で自己破産する人よりも日々の生活で自己破産する人の方が圧倒的に多いですね。
→自己破産すると官報に掲載されるのと概ね10年程度は借り入れなどは難しくなります。住宅ローンがめない、マイカーローンが組めない、クレジットカードが持てないなど。また自己破産をしないまでも返済が滞ると個人信用情報に登録され、いわゆる『ブラック』になります。程度の差こそあれ上記のようにクレジットカードが作れない等の影響も出てきます。
●NPO法人POSSEさん
今回奨学金について調べていたところPOSSEさんのことを拝見しました。奨学金の返済などが苦しい時に相談に乗ってくださるNPO法人さんです。これまでいくつかの社会課題について調べてきましたが相談は早めがよいです。早い段階ならば解決のために取れる手段が選べるのです。少しでも『あ、返済苦しくなるかも』のニオイがしたらPOSSEさんもですし、周囲にも相談をしてください。
しっかり調べてから奨学金を使いましょう!
●給付型奨学金(2023年9月調べなのでご自身でもHPを確認してくださいね)
奨学金は前述の日本学生支援機構さんのもの以外にも様々な団体さんが奨学金を設けてくださっています。もちろん奨学金の採用の為条件がありますが、こちらについてもチェックしてみてください。以下に一例を挙げていきます(ガクシーさんのHPを参考にさせていただきました)。給付型の奨学金もあります!
・キーエンス財団 月額10万円 成績制限:なし 父母の収入証明の提出あり
日本学生支援機構の給付型とは併用不可
・電通育英会 月額7万円 成績制限:高校2年次までの評定平均が4.0以上
収入制限:両親の合計課税所得が350万円未満
日本学生支援機構と併用可能
・DAISO財団 月額5万円 成績証明提出あり 世帯の課税証明書提出
日本学生支援機構を含む他の奨学金との併用可
●奨学金返還支援(代理返還)制度
2021年4月から勤務先が奨学金を返済してくれる制度が始まりました。勤務先からしても従業員を確保できるメリットがあり、損金として計上できます。また従業員側は給料へ上乗せとして扱われないので課税所得や社会保険の算定基準が上がらず負担が少なくなるというメリットがあります。
ただ制度はよく確認しましょう。この『奨学金返還制度』は日本学生支援機構さんの制度、いわば国の制度のようなものです。これを活用して従業員側が不利益を被ることは少ない(絶対ないとは言いません)と思われます。
独自の『奨学金を完済できるまで転職できない』などと記載がある場合には注意してください。以前の外国人技能実習生の記事でも記載しましたが転職できないは憲法違反ですし、パワハラなどの温床になります。
嫌なことを書きましたが『奨学金返還制度』すごく良い制度なので、これから奨学金を受けようとしている人、奨学金受けていて就職活動をしている人は、どんな会社がこの制度を活用しているのかを調べてみるもの良いかもしれません。リンクから各業種ごとに会社名が一覧になっています。
まとめ
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
先ほどの手取りの話は厳しいですよね、家賃+貯金で6万円なんて無理ですよ。。。
これまでの日本って『いずれ給料が上がるから、そしたら生活が楽になるから』を前提に進んできたと思います。しかし今後の日本経済って上向くのでしょうか。私も小さいながらに商売をやっている身としては経済が上向けばもちろん嬉しいです。
ただ、そうならなかったときに向けて準備をしておくのも大切ではないでしょうか。この記事を書いているのは2023年10月初旬でドル円が150円に迫る勢いです。一つの提案で言えば外貨を稼げる仕事に就くのはいかがでしょうか、本業が難しければ外国向けに動画配信を行うなど。
これから大学に進学し社会で活躍していく若者たちの未来が明るいものであることを願っています。
私はNFTを制作しており、こちらをご購入いただいた収益の一部を社会課題に対する活動をされているみなさんの支援に使わせてもらおうと思っています。支援先はご購入いただいたNFTの種類によってと考えています。
ぜひこちらものぞいてみてください。
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ではまた次回の記事でお会いしましょう。
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