下北沢でフェアトレードの展示を見てきました
先日、下北沢で開催されていたフェアトレードの展示を見てきました。会場では、コーヒー豆やカカオ、バナナなど身近な食品を入口に、「その産地でいま何が起きているのか」をデータと体験型コンテンツで学べる構成になっていました。
体験型企画展「What’s “Fair”? 気候変動が奪う、私たちの未来」

展示を案内していた係員の方に「一番知ってほしい展示はどれですか?」と尋ねると、返ってきたのは意外にも“価格”そのものではなく、「気候変動の影響で生産コストが増えていることを知っていますか?」というテーマでした。
ここでいったん立ち止まって整理したいのが、「フェアトレード」という言葉の意味です。
フェアトレードは「生産者の適正利益のために少し高い商品を買って応援する」だけの話ではなく、サプライチェーンを壊れにくくするためのルール設計でもあります。
今回の展示内容を理解するためにも、次の段落ではまずは基本から確認しておきます。

フェアトレードとは、そして気候変動での影響
フェアトレードとは、公正な取引を通じた世界の貧困問題の解決、生産者の持続可能な生活の実現を目指して活動であり、ひと言でいうと「立場の弱い生産者が、買い叩かれずに取引できるようにする仕組み」です。
コーヒーやカカオ、バナナのような農産物は、天候や病害、国際相場の影響で価格が大きく揺れます。一方で生産者側は、相場が下がった年でも肥料や資材、人件費を簡単にゼロにはできません。結果として、価格が崩れた年ほど、生産者が赤字を抱えやすいという構造が生まれます。
そこでフェアトレードでは、たとえば次のような考え方が用意されています。
- 最低価格(Minimum Price):相場が大きく下がっても、生産者が生産や生活を維持できる下支え
- プレミアム(Fairtrade Premium):学校や医療、設備投資など地域の改善に使える追加資金
- 労働・環境に関する基準:児童労働などのリスクを減らし、持続可能な生産につなげる
大事なのは、フェアトレードが「かわいそうだから助ける」ではなく、供給が途切れないように“条件”を整える仕組みだという点です。
そして今回の展示が強調していたのは、相場の変動に加えて、気候変動そのものが“生産コスト”を押し上げているという現実でした。
この展示の背景には、フェアトレードの認証制度や普及活動を担う団体の存在があります。次に、その中心的な役割を担っている組織を紹介します。
関連記事:
『フェアトレード』その一杯のコーヒーにどんな物語があるか知っていますか?
フェアトレード・ラベル・ジャパン(Fairtrade Japan)とは
フェアトレード・ラベル・ジャパン(Fairtrade Japan)は、日本で国際フェアトレード認証ラベルの認証・ライセンスと普及啓発を担う団体です。以下にフェアトレード・ラベル・ジャパンの活動をご紹介します。

国際フェアトレード認証ラベルの普及
フェアトレード認証の枠組みを日本に広げ、企業やブランドが認証製品を扱えるようにすることで、店頭での選択肢を増やします。展示会場でも、コーヒーやカカオなど、私たちの生活に近い商品が並んでいたのは象徴的でした。
教育・啓発
イベントや情報発信を通じて、フェアトレードが「少し高い商品を買う」話に矮小化されないよう、背景(労働・環境・価格形成)を伝える活動が行われています。今回の会場のように、展示や体験を通じて理解を促すのは、まさに啓発の王道です。
コミュニティの仕組みづくり
フェアトレードは個人の善意だけに頼ると続きません。企業・学校・地域といった単位で関与が増えるほど、調達が継続しやすくなります。パンフレットでも、組織や場を巻き込む形の取り組み(イベント、学びの場づくり等)が紹介されていました(※ここはパンフレット記載の事例をあなたの言葉で数行足すと説得力が跳ね上がります)。
情報提供・発信
認証の仕組みは複雑になりがちです。だからこそ、「何が基準で、何が担保され、何が課題として残るのか」を継続的に発信する役割が重要になります。これは応援のためというより、読者にとっては“判断材料”です。
展示で見えた「気候変動が生産地のコストを押し上げる」構造
1.5℃目標は、環境スローガンではなく“損失の上限”に近い

展示にあった「1.5℃」は、単なる目安ではなく、パリ協定の枠組みの中で共有されている国際目標です。パリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分低く保ち、さらに1.5℃に抑える努力を追求することが掲げられています。
環境省のホームページ
ポイントは、「1.5℃」が“理想論”というより、各国が現実の政策で追いかけるための**共通の基準(ものさし)**になっていることです。各国は温室効果ガス削減の目標(NDC:国が決める貢献)を提出し、一定期間ごとに見直して引き上げていく設計になっています。
この枠組みの背景には、気温上昇が進むほど、極端気象の増加や海面上昇、生態系へのダメージなどのリスクが強まることがある。展示が示していたように、気候変動は「遠い国の自然の話」ではなく、農業生産・調達・生活コストに直結する現実の問題として、すでに私たちの食のサプライチェーンに入り込んでいます。
これらは“自然が荒れる”だけで終わりません。農業は天候と自然資本に強く依存するため、収量の不安定化、病害虫リスク、灌漑や対策コストの増加として直撃します。
関連記事:1.5℃に抑えることの意味に触れた記事
モリンガの森プロジェクト協会~CO2削減のための植林~
「排出は多い側」「影響は受ける側」—不均衡がコストを生む
国・地域によってCO₂排出量に大きな差があることも示されていました。

気候変動で条件が悪化した地域ほど、同じ量を生産するために追加投資が必要になり、価格交渉力の弱い生産者ほどその負担をかぶりやすくなります。当日紹介されていたデータとして、開発途上国の農業部門が気候変動への適応のために必要とする追加コストが、2050年までに年約1,400億ドル規模という説明もありました(展示ではFAO 2023として掲示)。
さらに、気候変動による自然災害や健康被害、食料価格の変動などが複合し、貧困層が押し広げられるリスクも指摘されます。世界銀行は、近年でも極度の貧困(extreme poverty)が依然として大規模であることを示しています。重要なのは「気候ショックが生活の耐久力を奪い、最初に折れるのは生産者側になりやすい」という構造です。
VRで“生産”を見せる意義:かわいそうではなく、同じ経済圏の話
展示ではVR体験もあり、現地で農業に従事する人の姿を疑似体験できました。汗をかいて働く様子の中に、ふっと見える笑顔もある。ここで伝わってくるのは、単純な同情ではありません。
同じ世界経済の参加者として、生活条件の差が“気候”で増幅されているという事実です。
展示奥には小川珈琲さんの店舗があり、フェアトレードブレンドの提供もありました。コーヒーは「フェアトレードの象徴」として語られがちですが、今回の展示はむしろ、コーヒーを入口にして“気候とサプライチェーンの現実”へ接続する設計になっていたと思います。

日本の食料自給率は38%、海外の農業は決して他人事ではありません
日本の食料自給率38%は「海外に支えられている」前提で成り立つ
日本の食料自給率は供給熱量ベースで38%。つまり、私たちの食卓のエネルギーの多くは海外からの供給に依存しています。
とくに依存が大きいのは、パンや麺の原料になる小麦、加工食品や飼料に広く使われる原材料、そして畜産を支える飼料などです。実際に小麦は16%、飼料は**26%**といった数値も示されています。
ここで重要なのは、「輸入が悪い」という話ではありません。気候変動で生産地のコストや収量が揺れたとき、その揺れが“価格”と“供給”として日本にも伝わりやすい構造になっている、という点です。いる領域ほど“遠い国の天候”が近い暮らしを動かします。
※出典農林水産省より ① ②
フェアトレードの先にある、本当の“自分ごと”とは?
もし私たちが、目の前の価格だけで「安いほう」を選び続けたらどうなるでしょう。
生産地では、気候変動への適応(灌漑、病害虫対策、品種転換など)にコストがかかり、採算が合わない農家ほど生産を続けにくくなります。そうして供給が細れば、次に起きるのは将来の食品価格の上昇や、手に入る商品の選択肢が減ることかもしれません。
つまりこれは「かわいそうだから助けよう」という話だけではなく、自分たちの食卓の安定をどう守るかの話でもあります。
フェアトレード商品を選ぶことは一つの方法。でもそれだけが答えではありません。省エネ、移動手段、電力の選び方、食品ロスを減らす工夫——日々の選択は回り回って、生産地の持続性と、日本の食の未来に影響します。
あなたはいま、どんな基準で“安さ”を選んでいますか。
その選び方は、5年後・10年後の自分の食費に、どう返ってくるでしょうか。
あとがき
ライターのあおやんです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
併設している小川珈琲さんでフェアトレードコーヒーもいただいてきました!香り高くておいしかったです☕

※ChatGPTにサポートしてもらい記事を製作しました。
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