デフリンピックを観戦 アスリートから学んだ多様性の重要さ

未分類

デフリンピックとは

足立区綾瀬の東京武道館で開催された「デフリンピック柔道」を観戦しました。
デフリンピックとは、聴覚障害のあるアスリートが参加する国際総合競技大会で、オリンピック・パラリンピックに並ぶ歴史ある大会です。1924年に始まり、100年以上の歴史を持っています。

デフリンピックのホームページはこちら
https://deaflympics2025-games.jp/

この日は9時開場でしたが、私が到着した8時50分には長い入場列ができていました。
一般の入場口は2階にあるものの、列は階段を伝い1階まで伸びていました。
1階付近では、招待客として来場する子どもたちへの案内係がパネルを掲げて待機しており、朝から会場全体が大きなイベントとしての熱気を帯びていました。

会場に広がる「音を前提にしない」文化

館内に入ると、まずボランティアの方の活躍が目を引きます。
手話通訳の方、海外からの来場者対応を行う方、車いすを誘導する方など、役割分担が丁寧に行われていました。

お話を伺うと、手話にも各国の言語があり、国際大会では「国際手話」が使われることもあるそうです。国際手話が通じない場合には、ジェスチャーで伝える工夫をしているとのことでした。即時の対応力が素晴らしいと感じました。

観客席にも多くの外国の方が座り、またあちこちで手話での会話が交わされていました。
音声中心の文化とは異なる「視覚中心のコミュニケーション」が自然に成立している場でした。

会場で際立っていた視覚的・体感的な仕組み

特に印象に残ったのが、聴覚がない状況を「振動」で体験できるブースです。
投げ技を受けた際の“受け身”の振動、会場の観客の様子など、耳でなく体で感じる仕組みが用意されており、観客が“聞こえない世界のスポーツ”を体験できる工夫がされていました。

また、会場の外には「会話支援システム」が設置されており、話した言葉がリアルタイムで文字変換され、さらに 31か国語に即時翻訳される仕組みも用意されていました。
誰にとってもコミュニケーションが途切れないよう設計された環境は、とても先進的に映りました。

多様性の尊重は「社会の持続性」に欠かせない

デフリンピック柔道の観戦をして強く感じたのは、
耳が聞こえないという多様性を持つアスリートたちも、高いパフォーマンスを発揮していることです。
私も柔道をかじっていますが、この日活躍していた選手にはとてもとても敵いません。
きっと私の100キロの体もヒョイです。

仕事のため途中で会場を後にしましたが、武道館から出ると行列はさらに伸び、次に入れる席を待つ人で外はいっぱいでした。

「聴覚に多様性を持つアスリートが、これほど観客を魅了し、社会に希望や感動を与えている」

この事実は、
“多様性を切り捨てない社会は、可能性を切り捨てない社会である”
ということを強く示しています。

もし、

  • 聴覚障害がある
  • 経済的価値が生まれにくい
  • 社会基準に合わない

といった理由だけで、こうした人たちの活躍の舞台がなかったら――
今日の武道館で感じた感動、並び続けた観客の熱意、満席で入れず外で待つほどの人気…これらすべては生まれなかったはずです。

多様性を切り捨てることは、社会の可能性そのものを失うことにつながるのではないでしょうか。

経済基準だけで価値を判断してしまうと、見えるはずの光景が見えなくなります。
誰かが活躍できる舞台があれば、そこから新しい文化も感動も、社会的価値も生まれます。

デフリンピックは、その象徴のような場でした。

私たちが日々活動している環境は変わる可能性もある

デフリンピックの観戦を通じて、人の「活躍の場」は環境によって大きく左右されることをあらためて考えました。
私たちは誰でも、働けない時期や社会との接点が持てなくなる時期を経験する可能性があります。

統計を見てもそれは明らかです。

● 病気

  • 日本人の 2人に1人 は生涯でがんに罹患します(国立がん研究センター)。
  • がん以外にも大きな病気に罹患し長期療養が必要になり、就労が困難になる期間が発生する可能性もあります。

● 家族の介護

  • 介護離職者は年間 約10万人経済産業省)。
  • 40〜50代の働き盛りの離職が多いことも課題です。

● メンタルヘルス

  • 精神疾患患者は 614万人 超(厚労省)。
  • うつ病による休職は増え続け、復職まで1年以上かかる人も多くいます。
    以前書いた記事
    【病気や怪我で長期休業、知っておくべき制度~一番多い原因は精神疾患なんです~】
    https://blu-sust.com/depression/

● 経済・社会環境

  • 非正規雇用は約2,126万人(統計局)。
  • 事業者の廃業は年間約7万件(中小企業庁)。
  • コロナ禍以降、働き方の不安定化が進行

このように、「働く力」は健康・家庭・環境など、多くの要因によって簡単に揺らぎます。
つまり、
いわゆる社会の「標準」から外れる事情は、誰にでも起こりうるものです。

私自身、結婚後に妻ががんを患い、妻は歯科衛生士として働き続けることが難しくなった経験があります。
ただ、高額療養費制度に支えられ治療を継続することができました。
経済的な負担が軽減されたことで、妻は新たにネイリストの資格を取得し、闘病しながら自宅でサロンを開くことができました。
抗がん剤の影響で細かな作業ができなくなる前までお客様との交流を続けることができ彼女のQOLを維持できたのは、制度と周囲の支えがあったからこそだと感じています。

我々ができること

特別な行動ではなく、「見方を変えること」から始める

  • 多様性を持つ人のパフォーマンスや環境づくりに関心を向ける
  • 音や声が前提でない社会のあり方を、一度視点として持ってみる
  • 困っている場面を見た時に、個人の問題ではなく “制度や環境の課題” として捉える
  • 自分自身や身近な人も、いつか働けなくなる可能性があることを意識す。

大きな支援ではなくてもよい

  • スポーツ観戦や情報への興味をきっかけにする
  • 手話や字幕などの「誰でも参加できる仕組み」を知る
  • SNSで感想や気づきを伝えるだけでも社会参加になる
  • 地域や仕事で関わる場面があれば、その都度できる範囲でインクルージョンを考える

まとめー経済価値だけでは測れない「関係価値」がある

社会では経済的な生産性が価値基準になる場面が多いですが、人の価値はそれだけでは測れません。
働けない時期があっても、病気を抱えていても、家族や仲間を支えたり、存在自体が周囲の安心につながったりする「関係価値」があります。

デフリンピックに参加するアスリートの姿は、まさにそうした価値を感じさせるものでした。
耳が聞こえる・聞こえないという基準では捉えられない、多様な魅力がそこにありました。

あとがき

ライターのあおやんです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。

今回のデフリンピックは日本では初めての開催。
11月26日の閉会式まで21競技が行われます。
観戦は予約なし無料なので、会場に足を運べる地域にいらっしゃる方は是非向かってみてはいかがでしょう。
※ChatGPTにサポートしてもらい記事を製作しました。

サステナブルーでは、こうした活動を記事や動画のほか、SNSやNFTでも発信をしています。

感想や応援の声は、ぜひ InstagramX(旧Twitter) からもお寄せください。

Instagram
X(旧Twitter)
YouTube
NFT取り扱いページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました